100s / OZ

ワタクシの世代ってのは、自分で言うのも変だが気がつけば社会は不景気で高度経済成長期なんて物を人の話でしか知らない世代である。
この違いってのは大きいと思うわけで、深層心理のどこかで未来なんて真っ暗みたいな感覚を感じていて父親世代の絶対的価値であった社会的ステータスなんかより愛や友情なんかに重きを置く世代である。
しかも実際にはその愛も友情も全部は信じていなくて何か不思議な空虚感を持っているようなカンジがする。
100sのボーカルである中村一義はそんなワタクシ達の世代から出てきたアーティストである。
初っ端から話が逸れてしまったけど、とにかくこのアルバムは彼の作品の中でも最高の出来だ。
アルバムの中でも屈指の曲「Honeycom.Ware」はバンドでなければ出来なかった曲だと思う。
ソロ名義最後のアルバム「100s」にあった気の合った友人達が参加したアルバムという雰囲気はもはや無い。
心が生きることをする、それこそがこのアルバムを作り上げている素材なのだろうと感じる。
また詩には憂いについて歌った物が多い。
「やさしいライオン」では親しい人を失う悲しみを受け止め、その先へと進む。
今、日本って誰もが未来は明るくないと思ってるのに、全然意識しないある意味異常な状況だと思うわけですよ。
長すぎる不況、いつミサイルが落ちてきてもおかしくない状況に国民全体が慣れてしまったから?
くるりがロシアのルーレットで「涙を時代で拭えだって?そんなバカな、置いていくなよ」と歌った時から何も変わってない。
そんな時代に天才が鳴らした音楽が詰まった70分のアルバム。
多分70分後、言い知れぬ感覚が訪れるはず。
皆様にも聞いてもらって判断してもらいたい。